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いちごの害虫アザミウマ対策方法とIPM資材活用のポイント!

目次

1.はじめに

農業を取り巻く環境は日々変化していて、
「有機JAS認証制度」や「みどりの食料システム戦略」、「IPM(総合的病害虫・雑草管理)の推進」等、
新たな制度や取り組み・政策方針などが示されています。
 
3〜4月はイチゴの花が開花する時期です。
ハウス内の温度も上がり、ハウスサイドを開けることも増えるため、病害虫も急激に活発になります。
 
本コラムでは、いちご栽培でよく見られる害虫「アザミウマ類」の対策・防除方法と、
イチゴ栽培に役立つ資材の活用についてお伝えします。
 
*当社ではいちごハウス向けに「IPM資材」のご提案を行っています。
「IPM(総合的病害虫・雑草管理)」「IPM防除」についてはこちらのページでもご紹介しています。
 

2.いちご栽培で注意が必要な害虫【アザミウマ類】

2-1.アザミウマ類とは?

▲動画|いちごに寄生するアザミウマ
 
日本では200種類以上いるとされ、かなり種類が多いです。
成虫は黄色・褐色・黒色系で、頭部から2本の触覚が伸びており、偏平~やや円筒状の細長い形をしています。
 
ミカンキイロアザミウマ、ヒラズハナアザミウマ、ネギアザミウマ、ミナミキイロアザミウマなど
成虫の体長は種類により異なりますが、約1.0~1.7mm程度です。
 

2-2.アザミウマ類のライフサイクル

生育サイクルは温度や環境、種類によっても異なりますが、約20℃の環境で約19日間で卵から成虫になります。注1
卵→幼虫→(土中で さなぎになる)→成虫 
 
ライフサイクルが早いことから、対策のタイミングが遅れてしまうと爆発的に増えてしまうことも。
温暖な気候を好み、暖かい時期はさらに短期間で成長し、被害をもたらします。
 

2-3.アザミウマ類を放っておくと起こる影響・被害

成虫や幼虫が作物の葉や茎から汁液を吸うことによって食害を起こします。
成虫・幼虫ともに主に花に寄生し、被害を受けた果実はくすんだ色に変色します(朱色またはオレンジ色など)。
  • 土中で さなぎになると寄生されていることに気が付きにくい。
  • 成虫の体長も小さく葉の付け根を好むため見つけにくい。
  • ライフサイクルが短く、薬剤への抵抗性が発達している。

薬剤への耐性が発達しているので薬剤が効きにくく、非常に厄介です。

2-4.アザミウマ類の発生源

さまざまな要因が考えられますが、以下が一般的な発生源です。
  • 周囲の雑草から施設内への飛来
  • 苗からの持込み
  • 人に付着しての移動 など
こまめに周囲を除草したり、余分なつぼみを間引いたり、作物の近くの寄生場所を減らすなど、予防策もポイントです。
 

3.アザミウマ類の防除・対策5ステップ

3-1.対策①ハウス周辺の雑草対策をする

アザミウマはいちご以外にもさまざまな植物に寄生します。
除草剤を併用して除草し、ハウス周辺の環境を整え、
アザミウマが寄生する場所を減らしていきましょう。
ハウス周辺を除草後、防草シートを使用するのがオススメです。
 

3-2.対策②光の乱反射が苦手な虫を遠ざける!ハウス周囲への反射シートの設置

アザミウマなどの微小害虫は背面に紫外線を受け、飛行姿勢を保ちます。
そのため、紫外線が反射するような場所では正常な飛行ができなくなります。
微小害虫の侵入を抑制には、ハウス周囲に紫外線反射シート「虫フラッとシート」やハウス天井部に紫外線反射ネットバロンスクリーンホワイト涼風を設置するのがオススメです。
アザミウマが飛行錯乱し、落下するような環境にすることでハウスへの害虫侵入を防ぎます。
 

3-3.対策③ハウス内への侵入を防ぐ防虫ネットの設置

 ハウス内への侵入を物理的に防除します。
体長の小さなアザミウマには目合が0.4~1.0mm程度のネットが侵入しにくく適しています。
目合が小さいほど害虫の侵入を防ぐには適していますが、ハウス内が暑くなってしまうという弊害も。
目合が大きければその分風通しはよくなりますが、小さな虫が入ってきてしまいます。
紫外線反射機能により、害虫の飛行錯乱を誘発する目合0.6mmの防虫ネット「虫フラッとネット」がオススメです。
 

3-4.対策④ハウス内も防草&反射!通路や高設栽培・土耕栽培の肩部に反射シート・防草シートを設置

外からの侵入を防いでも、まだ十分ではありません。次はハウス内の対策です。
ハウス周囲同様に、ハウス内でも除草・防草、反射機能のある資材でアザミウマ類を遠ざけましょう。
 

3-5.対策⑤粘着テープを仕掛けて捕虫

アザミウマは黄色や青色に強く引き寄せられる習性があり、黄色や青色の粘着トラップを設置するのが効果的です。
 

3-6.その他の対策:生物農薬(天敵・微生物)の活用とアザミウマの視認性を低下させる「赤色」の防虫LEDの設置 注2

当社では扱いがありませんが、アザミウマ類には、生物農薬や赤色LEDの設置も対策方法のひとつとして知られています。
天敵による防除は「生物的防除」とも呼ばれ、特定の害虫にとって脅威となる虫や微生物を放飼・定着し、捕食・寄生することで害虫を防除する方法です。
赤色の光はアザミウマ類の視認性を低下させるため、作物に照射することで寄せ付けないようにする効果が期待できます。
 

4.オススメの資材シリーズ5選

以下、いちごのハウスでもご使用いただけるIPMの考えにのっとった資材マップです。
こちらの画像とあわせて順にご紹介します。

 

4-1.ハウス周辺の防草対策におすすめの「防草シート」

1.織物防草シート 「ルンルンシート商品ページ
  防草効果により害虫が増殖しにくい環境をつくります。織物なので水が抜け、水たまりになりにくいです。
 
2.不織布防草シートKOMAシリーズ商品ページ
  📝 畑・ハウス周りでの防草シートの選び方を紹介したコラム記事はこちらから
 
3.畦畔・法面が近くにある場合は、防草と地被植物活着効果のあるシート「べた~とシート」を使用するのも効果的です。
  📝 敷設現場を紹介したコラム記事はこちらから
 

4-2.ハウス内への侵入を防ぐ紫外線反射機能を備えたシート&ネット

1.紫外線反射機能で微小害虫の侵入を抑制するシート虫フラッとシート」。
虫フラッとシート

虫フラッとシート

ハウス周囲にも、ハウス内にも使用いただける商品です。アザミウマ忌避試験で忌避効果50%以上を確認しています。
害虫忌避効果だけでなく、遮熱効果、抑草効果、ハウス内での使用では光合成促進にもつながり収量UP、色付け効果も期待できます。
*害虫忌避効果を高めるには後述の防虫ネット虫フラッとネットとの併用を推奨します。
📝 お客様でご使用いただいた事例紹介の記事はこちらから
 
📢 アザミウマが害虫忌避シート『虫フラッとシート』で飛行錯乱する様子をご覧ください👀
『 虫フラッとシート』に落下したアザミウマ類が離陸しにくくなる様子もご確認いただけます。
 

2.紫外線反射機能で微小害虫の侵入を抑制するネットバロンスクリーンホワイト涼風」。
  ハウス周囲にも、ハウス内にも使用いただける多機能・多用途商品です。
  後述する「虫フラッとシート」の糸を使用した紫外線域含む高拡散反射ネット。
  害虫忌避効果だけでなく、遮熱効果、抑草効果、ハウス内での使用では光合成促進にもつながり収量UP、色付け効果も期待できます。
 
*令和4年度「ひょうご新商品調達認定制度」に認定された商品です!
 

4-3.ハウス内への侵入を防ぐ防虫ネットの設置

紫外線反射機能をそなえた防虫ネット虫フラッとネット」。
虫フラッとネット

虫フラッとネット

ハウス内への微小害虫の侵入を抑制するネットで、 紫外線反射機能により、微小害虫の「飛行錯乱」を誘発させ、飛行害虫の落下を促します。
0.6mm目合でも害虫忌避効果が期待 でき、0.4mm目合のネットと比べて通気性がアップします。
赤外線領域の反射機能により通常のネットよりも熱を通しにくく、ハウス内環境の改善に貢献します。
*害虫忌避効果を高めるには「虫フラッとシート」との併用を推奨します。
 
📝 防虫ネットの目合サイズについてのコラム記事はこちらから
 

4-4.ハウス内で防草&反射に効果的なシート&ネット

前述の紫外線反射機能で微小害虫の侵入を抑制するシート「虫フラッとシート」や
同様の糸を使用したネットバロンスクリーンホワイト涼風」をハウス内の通路や高設栽培・土耕栽培の肩部に設置するのがオススメです。
 
虫フラッとシート ハウス内

虫フラッとシート ハウス内

4-5.ハウス内で物理的に捕虫する「粘着シート」

長さ200㎝の大判粘着シートです。飛行害虫のモニタリング、害虫の混入対策に使用します。

三次元構造基盤による特殊な高反射が虫の誘引効果を引き上げます。
 

5.資材を活用するために知っておく「IPM資材」のメリットと使用上の注意

5-1.IPM(総合的物理的・雑草管理)とは?

IPM「総合的病害虫管理 Integrated Pest Management」とは… 
物理的防除・生物的防除・化学的防除・耕種的防除などの多角的手法で『総合的』に病害虫の防除を行うことです。農薬を否定しているのではなく、それ以外の技術を導入することで、農薬使用の最適化、人や環境へのリスクを軽減または最小限に抑えることを目指しています。
 
当社では、光やネットによる害虫のエリア内への侵入防止・害虫発生状況のモニタリング・天敵製剤といったIPMのための資材を提案しています。 
 

5-2.IPM資材を使用するメリット

1. 安全・安心な農産物の生産ができる

「みどりの食料システム戦略」「輸出販路拡大」などに沿った栽培方法になります。
 

2. 時間の削減、省力・軽労化が図れる

一般的には「薬剤散布時間>天敵放飼時間」となりますので、
害虫対策にあてる時間の削減が可能です。
 

3. 薬剤抵抗性害虫への対策になる

薬剤抵抗性の発達を遅らせることができ、切り札としての化学農薬を温存できる利点があります。
 

5-3.IPM資材使用にあたっての注意点

1. IPM=完璧ではない

IPMは農薬の代替ではありません。農薬とIPMの考え方の違いです。
  • 化学農薬:病害虫をゼロにすること・即効性を目標にしている
  • IPM:ある程度の病害虫発生を許容し、経済的被害が出ない程度のレベルに抑制することを目標にしている

2. 即効性に欠ける

例えば、農薬の代わりに生物農薬(天敵)を放すだけでは、薬剤のように防除効果はすぐに現れません。
日々の管理で害虫発生のモニタリングをしながら総合的に対応することが基本です。
被害の拡大が予想されれば化学農薬を併用する必要もでてきます。
 

3. 使用する商品の弊害(デメリット)も考慮する

販売している資材は作物の栽培にとってよい影響をもたらすものですが、使用することで起こる弊害も存在します。
例えば、
  • 防虫ネットを使用していなかったが使用し始めた⇒ハウス内が使用前よりも高温になって暑さ対策が必要になる
  • 天敵を導入した⇒薬剤に制限があり、管理が難しくなった
栽培開始前にIPM栽培に沿った環境づくり、事前の計画が重要なポイントです。
また、地域やハウスごとでのマニュアルを作成し、微調整しながら運営していくことで失敗が少なくなります。
 

6.まとめ

被害を軽減するためには施設への侵入防止と卵~若齢幼虫の時の防除がとても重要です。
必要な対策方法を取り入れて、大切ないちごを守っていきましょう。
 
農業生産現場では、持続可能な、環境に配慮した栽培体系の構築が課題となっています。
特に、農林水産省が定めた「みどりの食料システム戦略」の中でも、化学農薬に依存した栽培体系の変革、「省力的なIPMの技術開発・推進」は重要な位置付けとなっています。
今回のコラムの内容をお役立ていただけますと幸いです。
現場環境に合わせて、活用できる資材をご提案させていただきますので是非お気軽にお問合せください。
 

小泉製麻の商品紹介YouTubeチャンネルでもご覧いただけるのでぜひあわせてご覧ください👀

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