CASE STUDYお客様事例

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アザミウマ類対策に『虫フラッとシート』
農作物の安全性や収量アップに貢献!
  • 業務用液体容器・
    物流資材・カバー
  • 農業資材
  • 緑化土木資材・
    補修資材

『虫フラッとシート』は、紫外線の拡散反射で微小害虫の飛行錯乱を誘発する害虫忌避シートです。農薬の使用回数を抑え、微小害虫のハウスへの侵入を抑制します。今回は同商品の実証試験にも協力した徳島県のイチゴ農家・近藤農園さんから、『虫フラッとシート』の効果や使い勝手などを聞きました。
※当記事は2021年5月のマイナビ農業掲載記事からの転載です。

山間部は虫の被害が大きい

近藤政志さんは徳島県西部に位置する東みよし町で「イチゴの周年栽培」に取り組んでいます。町内に二つの圃場があり、7月~11月にかけては標高がおよそ900mの山間部の圃場(25a)で栽培する『サマーアミーゴ』を夏イチゴとして出荷。12月~6月は吉野川流域の平地部(25a)で冬春イチゴを生産しています。

以前はダイコンが作られていたという山間部の圃場。冷涼な気候を生かし30年ほど前に水の丸苺生産組合を立ち上げるなど、全国に先駆けて夏イチゴの産地化を進め、「夏場にも国産イチゴを!」というケーキ業界からのニーズに応えています。

真夏でも最高気温が22℃程度と、水の丸地区の気候はイチゴの栽培に最適ですが、「山間部だけに虫の被害が大きい」と近藤さんは話します。

 

中でも「アザミウマ類」は効果的な農薬が少なく、増殖のスピードも速いので、防除が難しい害虫です。体長が小さいので花や葉の裏に潜んで農薬から逃れ、花や果実を蝕みます。被害を受けたイチゴは萎縮や褐変などを起こして商品価値を損なうので、その対策に頭を悩ませている生産者は後を絶ちません。

化学農薬だけに頼らない

近藤さんも農薬による防除を行ってきましたが、消費者の食の安全に対する関心の高まりを受け、現在は化学農薬だけに頼らない「総合的病害虫管理(IPM:Integrated Pest Management)」に取り組んでいます。

「アザミウマ類の侵入を防ぐために防虫ネットを使っていましたが、網目が細かいネットを使用すると風通しが悪くなり、ハウス内が高温に…。何か解決策がないかと徳島県の三好農業支援センターに相談したところ、2014年ごろ小泉製麻さんを紹介されました」と振り返る近藤さん。

近藤さんは営業担当者にアザミウマ類の対策を含め様々な課題を相談し、リクエストを出し続けたという。

小泉製麻の高反射防草シート『ルンルンシート 白ピカ』をベースにした新たな開発に、近藤さんの声は反映されました。およそ4年の開発期間を経て害虫忌避シート『虫フラッとシート』は2018年に発売開始されました。

設置前は半信半疑、その効果は。

『虫フラッとシート』の実証実験に協力したものの、近藤さん自身はその効果に半信半疑だったと笑います。

「本当に効果があるんかなぁ…と思いつつ、山間部の圃場ではハウス内の通路に、平地部の圃場ではハウスの外周に敷きこみました。設置後はアザミウマ類の被害は激変しました。防虫ネットの隙間から入り込むこともありましたが、シートが紫外線を拡散反射するので虫は『飛行錯乱』を起こし落下、イチゴまでたどり着けないようです」と近藤さん。

飛行錯乱とは。

 虫は背中に太陽光を浴びることで、地面と平行に飛ぶことができると言われています。飛行する虫の腹部に向かって地面から紫外線を当てることで、その飛行を錯乱させることが『飛行錯乱』です。

こちらの画像では左からアザミウマが飛び立ちます。手前の『未対策エリア』では通常通りの飛行が確認されますが、右側『虫フラッとシート設置エリア』に侵入した途端、アザミウマはバランスを崩し落下してしまします。

収量アップにも手応え。

紫外線域を含む高い反射性能は「害虫忌避」効果だけではなく、「収量アップ」にも役立つと、近藤さんは手ごたえを感じています。 「光が届きにくい葉の裏側にも反射した光が当たるので、光合成が促進されます。イチゴの色づきが良くなり、高品質なイチゴを短期間により多く収穫できるようになりました」と話します。

 
No. 地域 種類 増収効果 設置場所
徳島 イチゴ 105% ハウス内通路
徳島 イチゴ 113% ハウス内通路 + 高設ベッド
愛媛 トマト 107% ハウス内通路
愛媛 トマト 108% ハウス内通路
宮城 玉ねぎ 120% 露地・畝間
 

メンテナンスは手軽で、高圧洗浄機などでの掃除で反射率がよみがえり、長期間使用できるので経済的。

「防草効果」をアップさせたい方は、『虫フラッとシート』の下に黒色防草シートを敷くことが推奨されています。

 

近藤さんは「施設園芸だったらどんな品目でも害虫忌避効果を期待できると思います。最初はちょっと値段が高いと思いましたが、実際に導入した今は値段以上の価値があると確信しています。規格幅からオーダーカットで対応してくれるので無駄なく使うことができます」と太鼓判。

使用商品

害虫忌避シート『虫フラッとシート』

害虫忌避効果の他、遮熱・防草効果を備えた多機能シート

  • 紫外線域を含む高反射により、飛行害虫の落下を促す
  • 赤外線域の高反射により、植物の光合成機能を促進
  • 特許取得商品(特許番号 第6319853号)

施設園芸でも露地でも

今回はハウスでのイチゴの周年栽培に取り組む近藤農園での事例を紹介しましたが、アザミウマ類への忌避効果は「露地」でのブドウや玉ねぎなどでもテストされ、効果が出ています。バラやトルコ桔梗など花卉農家からの問い合わせも増えています。

 

❖ 害虫忌避効果(アザミウマ類)全国14カ所での忌避効果試験結果(%) ※対象区比較

No. 地域 種類 忌避効果 設置場所
徳島 イチゴ 95% ハウス周囲
徳島 イチゴ 52% ハウス周囲
徳島 イチゴ 63% ハウス周囲
徳島 イチゴ 75% ハウス周囲
広島 ブドウ 85% 露地
宮城 玉ねぎ 90% 露地・畝間
宮城 玉ねぎ 50% 露地・畝間
愛知 大葉 51% ハウス周囲
愛知 50% ハウス周囲
10 長野 花卉 85% ハウス周囲
11 山形 90% ハウス周囲
12 福島 90% ハウス周囲
13 香川 ネギ 75% ハウス周囲
14 香川 イチゴ 80% ハウス周囲

 

防虫ネット『虫フラッとネット』と。

『虫フラッとシート』の技術から生まれた『虫フラッとネット』も2020年に開発されました。シートと同様、紫外線を高反射する糸を使用したネットです。害虫の「飛行錯乱」を誘発する機能はそのままに、一般の防虫ネットよりも通気性と遮熱性をアップしました。

0.6㎜目合いの同ネットは0.4㎜目合いのネットと比べると通気性が高く、ハウス内に熱がこもりにくいです。

ネットで物理的に害虫をシャットアウトするのに加え、糸が紫外線を拡散反射するので害虫忌避効果もシートと同じように期待できます。

商品紹介ページはこちらから

Comments

織物をベースにIPMに貢献する。

[開発担当者のコメント] 小泉製麻  藤田 勇

 「虫フラッとシート」は I P M 総合的病害虫・雑草管理の有効手段として、4年の月日をかけて商品化いたしました。商品化と特許取得に至るまで、農林水産省支援(平成28年度革新的技術緊急展開事業)や兵庫県立農林水産技術総合センター病害虫部、宮城県農業・園芸総合研究所、愛媛大学、徳島県三好農業支援センター、東馬場農園(兵庫県)、近藤農園(徳島県)など各所の支援・指導をいただきました。

 当初はハウス周囲での微小害虫の侵入防止を目的としていましたが、篤農家さまからハウス内通路やイチゴ高設栽培の肩部などへの用途をご提案いただき、現在はハウス内外どちらの用途でもたくさんのお問い合わせをいただいております。光を高反射かつ拡散反射するため、微小害虫忌避だけでなく増収にも貢献させていただいております。
 小泉製麻は今後も「織物をベースにIPMに貢献する」をキーワードにサステナブルな開発を進めます。