CASE STUDYお客様事例

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EC販売に向けたブランディング。
液体容器・外装のカスタマイズに挑戦。

  • 業務用液体容器・
    物流資材・カバー
  • 農業資材
  • 土木資材

山と海に囲まれた神戸六甲地域の豊かな自然を生かした神戸農政公社様の「ワイン事業部」は、ブドウ生産からワイン製造・販売までを一貫して行っています。1年ほど前より立ち上げられたECサイトでは、KOBEワインがご家庭向けに販売されています。
ECサイト向けの商品として、当社の『スパウトバッグ』を採用したボックスワインができあがったと聞き、神戸農政公社・新田様にお話をうかがいました。コロナ禍の変化に対応したオンライン販売でのブランディングに、『スパウトバッグ』が活用されたようです。

「小容量」容器のニーズ

_当社の業務用液体容器のラインナップの中でも、小容量となる「スパウトバッグ」。どのような経緯で採用されたのですか?

 

(新田氏)
_10ℓ・20ℓの家庭用ワインを取り扱っていましたが、「もっと小さいサイズを」という声は以前からあり「小サイズの業務用料理ワイン」の容器を探していました。

しかし、折しも展示会でスパウトバッグを見つけた時は、コロナ禍の影響で家飲みが増えてきていました。そこで、スパウトバッグを「ボックスワイン」のオンライン販売に使えないかと考えました。業務用として食品メーカーさまに10ℓ・20ℓのBIB容器を使用することはありましたが、個人のお客様向けにBIB容器でのワイン販売は今回が初めての試みとなります。

 

 

オンライン販売に適したパッケージにカスタマイズ

_展示会で紹介した「スパウトバッグ」と、現在ECで販売されている農政公社様の「ボックスワイン」は違う形に見えます。

 

(新田氏)
_スパウトバッグは液体を入れるプラスチックの『内袋』と、その内袋をカバーする段ボール箱の『外装』に分かれます。この「ボックスワイン」完成までには、『外装』を何度も改良しました。小泉製麻の営業担当者と打合せを重ねる中で少しずつ変更し、『外装』ケースは6タイプ以上の試作品を作成しました。

 

 

_どのような点をカスタマイズされたのですか?

 

(新田氏)
_最初は「外装段ボールケースに“持ち手”が付いたスパウトバッグ」でした。ちょうど探していた容量の容器だったので興味を持ちましたが、「このケースのままでは売れない」と率直に思いました。オンライン販売のお客様は業務用に卸している食品メーカーさんと違い、一般の個人の方が主となります。「神戸ワインを家で楽しみたい!」というお客様に味もその雰囲気も楽しんでいただけるよう、ご家庭での使用方法や保管方法、デザイン性にこだわり試行錯誤しました。

 

EC用 カスタム容器

6回以上の試作品を作り、改良。左が初期、右が商品化されたもの。

ECサイトのお客様と使用シーンを考える

_改良を重ねる中でこだわったことはありますか?

 

》注ぎやすいコック位置 

 

(新田氏)
_最初から「コックの位置は使いやすい場所にしたい」と考えていました。私もプライベートで他のボックスワインを飲むことがあるのですが、一般的なボックスワインはどれもコックの位置が低すぎます。机にボックスを置いたときにコックまでの高さが1㎝もないので、コックからグラスに注ぎにくいです。机の上に更に台を重ねてコックの高さを上げるか、ボックスをテーブルの端に置いてコック下にスペースを作るか、ユーザーが工夫しなければ快適に注ぐことはできません。

家庭での料理酒の容器として展開することも見据えたヒアリング調査でも、「計量カップがコックの下にすっと入るスペースがあれば、調理中でも使いやすい」という声がありました。お客様の使用シーンを想定して、コックの位置を上げることをまず相談し、営業さんにはかなり苦心いただきました。

 

 

》残液防止の傾斜台 

 

(当社営業)
_コックの位置を動かすことで、ケース全体の重心バランスがずれてしまうので、コックの位置はギリギリまで模索しました。

コックの位置を上げると、別の課題が発生しました。コックよりも低い場所に液体が溜まりやすくなり、内袋にある液体を全て注ぎきることができず、残液が発生します。その残液を少なくするため、ケースの中に組み立てられる「傾斜台」を考案しました。
外装ケースを二重底にし、その二重底をケース奥からコック(ケース手前)にかけて液が自然に流れるよう傾斜をつけました。傾斜台の形状は、試作の度に簡素化されています。

 

(新田氏)
_スパウトバッグが納品されるときは、組みあがった状態でなく、外装も内袋も別々に畳まれた状態で納品されます。畳まれた状態から組み立てるのは、ワイン工場の製造スタッフです。組み立てが複雑すぎると、製造過程の手間がかかることになってしまいます。改良を重ね、簡素化していただきました。傾斜台の試作だけでも4パターン程つくりました。

 

ECサイト向けデザインを考える

_「この外観では売れない」と最初感じたとありましたが、デザインはどのように検討されたのでしょうか?

 

(新田氏)
_キッチンやダイニングに置いていただく『神戸ワイン』として、パッケージデザインでどのようなイメージを伝えたいか考えました。その中で外装ケースの色を茶色から白色に変えました。白にしたことで外装ケース表面の印刷もきれいに見せますし、ダイニングテーブルの上で他の食器やお料理との視覚的バランスをとっています。 

 

 

(当社営業)
_それから「ボックスワイン」を受け取ったお客さまが、コックを取り付ける方法やケースの脚の出し方など分かりやすいようイラストをケースの脇に印刷しています。ケースの組立をちょっとした工作のように楽しんでいただくことで、ワインを飲むまでのワクワク感の増幅を狙っています。

 

(新田氏)
_改良の変遷を見ていると、次第に使いやすく・可愛くなっているようのが分かります。ボックスワインは市場にたくさんありますが、箱の形状にこだわられている商品はあまりないんじゃないでしょうか。ここで他社との差別化をしたいと考えました。料理用としても、飲料用としても使っていただける、ホームパーティーやアウトドアにも使っていただける、とにかく幅広く使っていただける商品づくりを目指しました。

ECならではの課題:出荷・梱包の効率化

_EC業務での大きな課題は何でしたか?

 

(新田氏)
_瓶の梱包が大変でした。小料理屋さんに需要があるような6本・12本単位でのご注文でしたら、そのサイズの配送用段ボール箱があります。個人のお客様の場合、2~3本というご注文が多いです。小ロットでのオンライン販売向けの梱包資材が十分に揃ってませんでしたので、配送途中で瓶が割れないよう1本ごと梱包を巻いて、過剰なぐらいに包装する必要がありました。

 

_スパウトバッグで販売している「ボックスワイン」では梱包方法は変わりましたか?

 

(新田氏)
_手間と包装コストが変わりました。スパウトバッグは瓶のように割れることはありません。それ自体が外装箱ですから、梱包作業も簡単な包装で発送することができます。そう考えると、オンラインではボックスワインの売り上げが伸びると嬉しいですね笑!

 

_配送中のリスクが減るのは良いですね!

 

(新田氏)
_いままでも何度か配送途中で瓶が割れてしまうことがあり再送手配をしましたが、再送はコストの問題ではなく、お客様に届くまでの時間が伸びてしまうことは大きな悩みでした。オンライン通販でワインをご注文いただくときって、プレゼントとかおもてなし用途で着日指定されることもあります。指定日に予定通りワインをお届けし、予定通りにワインを楽しんでいただくために、割れるリスクを減らせることはとても魅力的です。

使い勝手とデザインのバランスのとれた容器に

_付属品のコックの配送方法と収納方法も、かなり検討されたと伺いました。

 

(新田氏)
_営業さんからはA案(ボックス本体と付属品の同一梱包案)とB案(ボックス本体とコック収納スペースの分離案)を提案されました。結果、その2つ良いところどりをしたC案に行きつきました。

 

(当社営業)
_オンラインで販売したいということはうかがってましたから、ワインの入った容器とコックなどの付属品を一体型にし、配送のしやすい1梱包にまとめるA案を提案しました。ただ、B案はコック収納スペースが輸送中に外れてしまうリスクがあるものの、机の上に置いたときに脚が付きます。その脚のデザイン性を気に入っていただけていました。そこでAとBの良いところを合体させて、1梱包で配送もしやすく・使用時には脚が出せるというC案を考えだしました。C案を考えるうえで、脚の安定性を上げデザイン性だけでなく使い勝手も良くしました。B案のままだと棚板がメッシュ状のラックに置くと脚が抜けてしまうので、脚の面を太くしました。
新田さんからヒアリングしたニーズをもとに、私がラフ案を作成し、それが実現できそうなケースメーカーを探しました。ロットやコストでもどこまで調整できるか、ケースメーカーにもご協力いただきました。

 

(新田氏)
_あと最初は3・4リットルが兼用できる容量のケースとして企画していたのですが、家庭用という市場の需要も見直して3リットルに決めました。BIBは内容物が酸化しにくい(ハイバリア性)ですが、緩やかではあっても味に変化がでてきます。メーカーとして適切な期間内で飲み切れる量で企画しました。

 

 

EC販売・店頭販売、どちらにも使える容器

_「ボックスワイン」はECサイト以外でも販売されているのですか?

 

(新田氏)
_はい、敷地内のショップで販売しています。ここの工場内でタンクから直接スパウトバッグに手詰めしているので、店頭の売り上げを見つつ、詰めるワインを変えるという対応ができたらおもしろそうですね。


_スパウトバッグは容器が空のときの内装も外装も畳めるため、保管スペースを削減でき、店内オペレーションが効率化したという事例があるのですが、御社でその点はいかがでしょう?

 

(新田氏)
_瓶はかさばるので、確かに省スペースにはなります。限られたスペースで販売される店舗などでは大きなメリットかもしれません。ただ、当社はとても敷地が広いので、そのメリットはあまり気付かなかった笑!

 

_たしかに!ブドウ農園があるぐらい広いですし…レンガの建物がとっても素敵ですよね。アウトドアイベントなども開催されているとのことなので、ぜひ今度はプライベートで遊びに来たいです。

ブドウの木々。広い空が気持ち良い。

ワインの楽しみ方を広げる

_使い勝手にも、見た目にもこだわった「ボックスワイン」。今後どのような方に楽しんでいただきたいですか?

 

(新田氏)
_当初の予定通り普段使いとしてキッチンに置いていただいても良いですし、最近ではアウトドアにも持って行きやすいと考えてます。グループでのキャンプといったシーンに、3~4本ワイン瓶を持って行くのは重いですし、後片付けもすこし面倒ですよね。このボックスワインは、ひとつ気軽に持って行くだけで楽しめます。中身のワインを全部飲み干したら、内袋と外装を取り外して、それぞれ小さく畳むだけでいいですから、ゴミの持ち帰りも手間ではありません。
あと、日頃そんなにワインを飲み慣れていない方にもお勧めしたいです。スプリッツァーを作ったり、サングリアにしたり、流行りのホットワインにしたり。瓶1本よりも大容量なので、いろいろな楽しみ方にトライしていただけます。大容量といえども、中身は当社が自信を持ってご提供するワインです。それを、瓶の値段や瓶詰め作業のコストが下がるので、この品質のワインをかなりリーズナブルに楽しんでいただけます。日頃ワインを飲まない方にも、気軽に手を伸ばしていただくきっかけになったら嬉しいです。

 

 

使用商品

スパウトバッグ小容量液体容器

・容量:3ℓ、4ℓ、5ℓ

・口が大きい(大口径)ので、粘度のある液体や粒状も出し入れしやすいです。

・調味料など食品分野、洗剤や接着剤などの化学分野の内溶液にご使用いただけます。

・キャップやノズル、各種コック(共通専用部品)がご使用いただけます。

 

Comments

用と美を兼ね備えた、容器の新しいカタチを。

[営業担当者のコメント] 小泉製麻・営業 S.K

ネットショッピングの一般化により、商品の容量は市場ごとに小型・大型の二極化傾向が見られ、業務用と家庭用の境目は曖昧になり始めています。
BtoB向けの容量としては小さく、BtoC向け徳用サイズより少し大きい「スパウトバッグ」は、これからのEC販売用容器としてぴったりです。しかし、「スパウトバッグ」は、決して何かの専用容器ではございません。
当社では食品・化学分野、BtoB・BtoCの業界問わず、お客様の用途・デザイン・ロット・コストなどのご希望条件を基に提案と打合せを繰り返しながら、用と美を兼ね備えた、容器の新しいカタチを一緒に商品を作り上げていきます。